特別講義「消えたアラル海」~片山先生~

特別講義「消えたアラル海」~片山先生~

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11月29日(金)

本校特任講師である、元人間環境大学副学長の片山幸士先生が特別講義をしてくださいました。タイトルは、「消えたアラル海」。京都大学に長くお勤めだった関係で、関西弁でお話しをしてくださいました。それがすごく柔らかい感じで、学生たちも片山先生のお話に、自然に引き込まれていました。パワーポイントは好みでないということで、OHPでご講演下さいました。学生たちは初めてOHPを見たということです。「メーカーにも電球の在庫がないので、これが切れたら終わりや」と言い、中央アジアの地図を写しながら、講義は始まりました。

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森林経済学がご専門とのことですが、文理融合の学際的分野ですから、シルクロードや旧ソ連のことの様な地理的、歴史的なものから、冷戦の様な政治的内容、原子力発電の化学的ご説明まで、幅広くそして深い学識の感じられる内容でした。もちろん先生ご自身が現地へ赴き、実際に調査したエビデンスに基づいたものです。

アラル海という湖は世界第4位の面積で、「東北6県が入る広さや、東北6県全部言えるか?」という質問を学生たちに投げかけながら、お話しが進んでいきます。1950年代から始まる大規模な灌漑農業によって、アラル海の水位や面積がどんどん縮小し、反面、閉鎖湖(流出河川のない湖)のため、塩分濃度はどんどん上昇し、生息できるプランクトンや魚類の多様性が失われ、1980年代中頃には漁獲量は激減します。数日のうちに海岸線が100m後退したこともあったようです。また、その周辺には旧ソ連時代に軍事機密で守られた核実験場があったそうです。

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結局、2014年にNASAが人工衛星から撮影した写真には、「アラル海が消えた」と発表せざるを得ない光景が広がっていたようです。消滅には議論の余地があるようですが、9割の面積が無くなったことは事実のようです。このような事態から、最後に、片山先生は、情報公開、徹底したアセスメント、環境教育の必要性を説き、ご講義は終了となりました。

内容はもちろんですが、「常に頭の中で暗算するクセをつけなさい」という何気ない一言にも、教育者としての思いが伝わって来る、格調高い一流の講義でした。学生たちも貴重な講義を受けることができ、深い学びを得ることができました。ありがとうございました。

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